

就職と同時に上京してきました。
今は丸の内の不動産会社で営業マンをしている"マミ"です。
「実家から通えるのに一人暮らしするのって甘えかな?」
「でも自分の時間と空間は欲しい…」そんな風に悩んでいる人は意外と多いものです。
実家の近くでの一人暮らしは、完全な独立と実家暮らしの中間的な選択肢として注目されています。
しかし、この生活スタイルには独特のメリットとデメリットがあり、向き不向きがはっきり分かれるのも事実です。
家族のサポートを受けながら自立の練習ができる反面、真の自立が身につきにくいという側面もあります。
この記事では、実家近くでの一人暮らしの実態を詳しく分析し、あなたにとって最適な選択肢を見つけるためのヒントをお伝えします。
もくじ
実家の近くで一人暮らしは目的があるならアリ
実家の近くで一人暮らしをすることについて、明確な目的があるならば十分にアリだと考えられます。
例えば「上京前に自立の練習をしたい」「通勤時間を短縮したい」といった具体的な理由がある場合は、合理的な選択といえるでしょう。
しかし、「なんとなく自立したいから」「周りがやっているから」程度の曖昧な動機では、期待したほどの効果は得られないかもしれません。
実家が近いとどうしても甘えてしまいがちになり、本当の意味での自立につながりにくいからです。
また、親の方も子どもが近くにいることで何かと心配して関わってくるため、一人暮らしの醍醐味である完全な自由を味わいにくい側面もあります。
そのため、実家近くで一人暮らしをする場合は目的を明確にし、期限を設けることが重要です。
特に「練習としての一人暮らし」を考えているなら、1年間など具体的な期間を決めて取り組むことをおすすめします。
一人暮らしを実家の近くでするメリット
実家の近くでの一人暮らしには、完全に独立した一人暮らしとは異なる独特のメリットがあります。
以下では、その具体的な利点について詳しく解説していきます。
- 家事や生活面での不安があっても家族のサポートを受けられる
- いつでも実家に帰れるのでホームシックになりにくい
- 完全な一人暮らし前に金銭感覚や生活スキルを育てられる
- 一人で過ごす自由を味わえる
家事や生活面での不安があっても家族のサポートを受けられる
一人暮らしを始めたばかりの頃に最も心強いのが、困った時にすぐ家族に頼れるという安心感です。
料理が苦手でも実家で夕食をとることができますし、親が手作りのおかずを差し入れしてくれることもあります。
忙しくて家事が追いつかない時も、洗濯物を実家に持参すれば解決できます。
また、急な出費でお金が不足した場合も、遠方にいる時のように電話越しでお願いするより、直接相談する方がずっと気軽です。
体調を崩した時の看病やサポートも期待でき、一人暮らしでありがちな「熱があるのに薬を買いに行かなければならない」といった辛い状況を避けることができます。
いつでも実家に帰れるのでホームシックになりにくい
遠方での一人暮らしで多くの人が経験するホームシックも、実家が近ければほとんど心配ありません。
夜一人になって寂しさを感じたときも、いつでも実家を訪れることができますし、場合によってはそのまま泊まることも可能です。
夕食を実家で食べて、お風呂まで済ませてから自宅に帰るというスタイルにすれば、実家暮らしとほとんど変わらない安心感を保ちながら、自分だけの寝室を確保できます。
このような柔軟な生活スタイルが取れるのも、実家近くならではの特徴です。
完全な一人暮らし前に金銭感覚や生活スキルを育てられる
一人暮らしを始めると、多くの人が家計管理と生活スキルの習得という課題に直面します。
これまで実家でお小遣い制だった人は、家賃、光熱費、水道代、通信費、食費、交際費などの月々の支出総額を正確に把握できていないことが多いものです。
特に食費の管理は想像以上に複雑で、食材を無駄にしてしまったり、外食やコンビニ弁当に頼りすぎて予算オーバーしたりと、思わぬ落とし穴があります。
完全に独立した一人暮らしでは、資金が底をついても自力で乗り切らなければなりませんが、実家が近ければ緊急時には助けを求められます。
また、自炊や洗濯、掃除などの生活スキルも、家族と離れることで自然と身につけられます。特に将来的に上京を予定している人には自炊スキルは必須です。
都市部では外食費が高額になりがちなため、自炊ができないと家計を大きく圧迫してしまいます。
実家近くでの一人暮らし期間中に、これらのスキルを着実に習得しておけるのは大きなメリットでしょう。
一人で過ごす自由を味わえる
実家の近くとはいえ、自分だけの空間があることの価値は絶大です。
お風呂に入る時間を誰かに急かされることもなく、部屋に家族が突然入ってくる心配もありません。
完全にプライベートな時間と空間を確保できます。
恋人ができた時も気兼ねなく自宅に招けるのは大きなメリットです。
家族がいる環境では難しい、大人としての自由な交際を楽しめるようになります。
実家近くで一人暮らしをするデメリット
メリットがある一方で、実家近くでの一人暮らしには見過ごせないデメリットも存在します。
以下では、事前に理解しておくべき注意点について説明します。
- いつでも家族に頼れる環境なので自立心が育ちにくい
- 実家に暮らすよりも出費が増える
- 思ったほどプライベートが確保できないリスクがある
いつでも家族に頼れる環境なので自立心が育ちにくい
「困った時はいつでも実家に帰れる」という安心感が、かえって真の自立を妨げる要因になることがあります。
身近な例として、実家近くで一人暮らしを始めたものの、家事の大変さに直面して短期間で実家に戻ってしまうケースも珍しくありません。
元々依存心が強い人の場合、「最終的には家族が助けてくれる」という甘えが常に心の片隅にあるため、本当の意味での生活力が身につかない可能性があります。
特に自分を根本的に変えたいという強い意志がある場合は、実家近くでは思うような効果が得られないかもしれません。
実家に暮らすよりも出費が増える
経済面での負担は避けられません。
実家暮らしなら家賃や光熱費はかからず、家にお金を入れても月数万円程度で済むでしょう。
しかし一人暮らしでは、家賃、光熱費、食費などで月15万円程度の支出が発生します。
例えば月給20万円の人が1年間実家近くで一人暮らしをした場合、年間60万円程度しか貯金できません。
一方、実家に月5万円を入れて暮らしていれば、年間180万円の貯金が可能です。
将来的に上京や夢の実現を考えているなら、貯金を優先した方が良い場合もあるでしょう。
思ったほどプライベートが確保できないリスクがある
実家が近いと、親が定期的に様子を見に来ることがあります。
連絡が取れないと心配して直接訪ねてきたり、週末は必ず顔を見せに来るよう求められたりと、期待していた独立感を味わえない可能性があります。
また、生活圏が重複するため、買い物先や通勤路で偶然親と遭遇してしまうことも珍しくありません。
友人や恋人を自宅に招いた時に思わぬタイミングで親と遭遇するといった気まずい状況も起こりえます。
このように、物理的には独立していても、精神的な独立は思うように進まないのが実情です。
実家の近くでの一人暮らしが向いている人・向いていない人
実家近くでの一人暮らしには明確に向き不向きがあります。
以下で、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
- 向いている人
- 向いていない人
向いている人
実家近くでの一人暮らしに最も適しているのは、通勤時間の長さに悩んでいる人です。
片道2時間を超えるような通勤は体力的に大きな負担となるため、家賃を払ってでも時間と体力を確保する価値があります。
また、家族仲が良好で適度な干渉を受け入れられる人にも向いています。
親の心配や訪問をストレスと感じず、むしろ温かいサポートとして受け取れる人なら、この生活スタイルを十分に活用できるでしょう。
経済的に余裕があり、家賃を支払ってでも自分だけの空間が欲しいと考える人、自炊や掃除などの生活スキルを段階的に身につけたい人にもおすすめです。
フルリモート勤務や夜勤など、家族と生活リズムがずれやすい職業の人にとっても、お互いのストレスを軽減できる良い選択肢となります。
向いていない人
反対に親の干渉をストレスに感じやすい人には向いていません。自分のペースで生活したい、プライベートはしっかり確保したいという人にとって、親の頻繁な関与は大きな負担となるでしょう。
生活費の工面に苦労しそうな人も避けた方が無難です。
一人暮らしには想像以上にお金がかかるため、経済的に厳しい状況なら実家暮らしで貯金を優先することをおすすめします。
そして最も重要なのが、「絶対に自立したい!」という強い意志を持つ人です。本気で自分を変えたい、完全に独立したいと考えている場合は、実家近くでは甘えが生じやすいため、ある程度の距離を保った一人暮らしの方が効果的でしょう。
実家の近くの一人暮らしについてよくある質問
実家近くでの一人暮らしについて、多くの人が抱く疑問にお答えします。
判断に迷っている方の参考になれば幸いです。
- 実家から通える距離なのに一人暮らしするのは甘えですか?
- 実家の近くで一人暮らしをする場合、住民票は移すべきですか?
- 実家の近くで一人暮らしする女性が気をつけるべきことは?
- アラフォーでも実家の近くで一人暮らしするのはおかしくない?
実家から通える距離なのに一人暮らしするのは甘えですか?
一人暮らしを選ぶ理由は人によってさまざまです。通える距離であっても、生活リズムの確保やストレスの回避、家での自由度などを求めて一人暮らしを決める人は多くいます。
自分の生活を自分でコントロールしたいという意志があれば、甘えではなく自立の一歩といえるでしょう。
大切なのは、なぜ一人暮らしをしたいのかという目的を明確にすることです。
実家の近くで一人暮らしをする場合、住民票は移すべきですか?
住民票は、基本的に実際に住んでいる場所に置くことがルールとされています。
郵便物の受け取りや行政手続き、保険や税金の面でも支障が出る可能性があるため、数か月以上住むなら住民票は移しておくことをおすすめします。
短期間の予定であっても、正式な住所変更をしておく方が各種手続きがスムーズになります。
実家の近くで一人暮らしする女性が気をつけるべきことは?
防犯面での対策は欠かせません。
実家が近いという安心感から気が緩みがちですが、オートロック付きの物件や人通りの多いエリアを選ぶなど、物件選びにはしっかり配慮する必要があります。
また、親との距離感をどう保つかも事前に考えておきたいポイントです。
過度な干渉を避けるためのルール作りや、緊急時の連絡方法などを家族と話し合っておくことが大切です。
アラフォーでも実家の近くで一人暮らしするのはおかしくない?
まったくおかしくありません。
むしろアラフォーならば、親の近くにいながら自立した生活を送る『近距離独立』のスタイルは、今後さらに一般的になっていく可能性があります。
この年代では親の介護が現実的な課題となることも多く、お互いのプライベートを保ちつつ、必要な時に助け合える距離にいることは非常に合理的な選択です。
家族の状況を考慮した大人の判断として、積極的に検討する価値があるでしょう。
まとめ
実家の近くでの一人暮らしは、明確な目的と期限を設ければ非常に有効な選択肢です。
通勤時間の短縮や生活スキルの練習、上京前の準備期間として活用すれば、多くのメリットを享受できるでしょう。
ただし、真の自立を目指すなら一定の距離は必要です。また、経済面での負担や親からの干渉についても事前にしっかり検討しておくことが大切です。
自分の性格や家族関係、将来の目標を考えたうえで、あなたにあった自立の道を目指してみてください。