

東京という大都市で暮らすことを考えたとき、「本当に自分が生活していけるのだろうか」と不安を感じる方は少なくありません。
特に地方から移住を考えている方にとって、その懸念は大きいものでしょう。しかし、実際に東京は想像以上に生活しやすい街だと言えます。
私自身も地方出身ですが、東京での暮らしを始めてみると、田舎よりも日常の利便性が格段に高いことに驚きました。
コンビニやスーパーが徒歩圏内にあり、深夜でも買い物ができるなど、生活の基盤がしっかりと整っています。
ただし、東京での生活がすべての人に合うわけではありません。都会の喧騒や人混みが苦手な方、広い住空間を求める方などは、東京の生活に馴染めない可能性もあります。
この記事では東京が意外と生活しやすい理由や生活しにくい理由、東京に向いている人とそうでない人の特徴を解説します。
東京が生活しやすい理由
東京での生活には、地方では味わえない多くの利点があります。交通の便が良く、買い物や娯楽も充実しているため、生活の質を高めやすい環境が整っています。以下に東京が生活しやすい主な理由を紹介します。
徒歩圏内に必要な施設が揃っている
東京23区内であれば、ほぼどこに住んでも徒歩圏内に日常生活に必要な施設が揃っています。
特にコンビニエンスストアは、徒歩5分以内に2〜3店舗あることがザラにあります。
地方では車でしか行けないような大型ショッピング施設も、東京では駅前や駅近くに立地していることが多いです。
たとえば、ドン・キホーテのような店舗も、地方ではロードサイドにあることが一般的ですが、東京では駅から徒歩圏内にあるケースが多いです。
田舎では当たり前のように車を使って買い物に行きますが、東京ではその必要がほとんどなく、徒歩や自転車で気軽に買い物が可能です。
これは時間の節約にもなり、生活の快適さにつながります。
交通網が発達している
東京の交通網の発達ぶりは、地方から来た人にとって驚異的です。電車やバスが頻繁に運行しているため、ほぼ待ち時間なしにどこへでも移動できます。
電車の運行時間も非常に長く、終電は基本的に深夜1時頃まで、始発は朝4時30分頃からと、早朝から深夜まで移動手段が確保されています。
特に山手線なら電車は2〜3分おきに来るため、長くても10分、ピーク時にはほぼ待つことなく乗車できます。
この充実した交通網のおかげで、車を持っていなくても不便を感じることがほとんどなく、むしろ渋滞や駐車場探しの苦労から解放されるというメリットもあります。
意外と安いスーパーも多い
東京は物価が高いというイメージがありますが、実は食料品などの日用品を扱うスーパーは競争が激しく、意外にも安い店舗が多いです。
特に大手チェーン店より、地元の人が経営する個人商店や中小スーパーの方が驚くほど安いことがあります。
各店舗が顧客を獲得するために価格競争を繰り広げており、タイムセールや見切り品コーナーなども充実しています。
スーパーの数自体も多いため、価格やサービスを比較して自分に合った店を選ぶことができるのも、東京ならではの利点だと言えるでしょう。
イベントが多い
東京には常にさまざまなイベントが開催されており、好みや興味に合わせた催し物に参加できる機会が豊富です。
コンサート、展示会、フードフェスティバル、スポーツイベントなど、ありとあらゆるジャンルのイベントが毎日のように開催されています。
地方では「こちらではやらないな」と諦めることも、東京ではほぼすべての人気イベントが開催されるため、見逃す心配はありません。
また、国際的なイベントも多く、世界的なアーティストのライブや海外の展示会なども楽しめるチャンスが豊富です。
これは、文化的な刺激を求める人にとって大きな魅力となっています。
カーシェアが多い
東京では車を所有する必要性は低いですが、時には車が必要な場面もあります。そんなときに便利なのが、街のあちこちに設置されているカーシェアリングサービスです。
駅前や住宅街など、カーシェアの駐車場が非常に多く設置されているため、必要なときだけ気軽に車を使うことができます。
月額の固定費や駐車場代を支払う必要がなく、使った分だけ支払うシステムなので、経済的にも合理的です。
買い物で大きな荷物を運ぶときや、郊外へ出かけるときなど、必要に応じて車を利用できる環境が整っているのは、東京生活の大きな利点です。
夜道も意外と安全
東京の街は人通りが多く、夜間でも人が歩いている場所が多いため、地方に比べて夜道を歩く際の不安が少ない傾向があります。
繁華街はもちろん、住宅街でも街灯が適切に設置されていることが多く、暗くて怖い道が少ないのも特徴です。また、コンビニや24時間営業の店舗も多いため、夜間でも明るい場所が点在しています。
もちろん注意は必要ですが、人目が多いことによる抑止力があるため、地方の人通りの少ない道を歩くよりも安心感があると感じる人も少なくありません。
東京で「生活しにくい」と感じるポイント
東京での生活には多くのメリットがありますが、一方でデメリットも存在します。
都会ならではの問題点を理解しておくことで、移住後のミスマッチを防ぐことができるでしょう。
以下に東京生活の主な課題を紹介します。
- 家賃が高く部屋が狭い
- つり革につかまれない!荷物はぐちゃぐちゃ
- 土日はどこに行っても混んでいる
- ホームセンターが少ない
- 道路の車線が多すぎる・道が複雑すぎる
家賃が高く部屋が狭い
東京での生活で最も大きな負担となるのが住居費です。
都心部では家賃相場が非常に高く、新宿の中心地では10万円でも6畳1Kレベルの狭い部屋しか借りられないことがほとんどです。
マンションの廊下や玄関も非常に狭いことが多く、大きな家具を搬入するのが困難なケースもあります。
地方から持ってきた家具が入らないといった問題も珍しくありません。
また、同じ家賃でも都心から離れるほど広い部屋を借りられますが、通勤時間が長くなる店には注意が必要です。
住居の広さと立地の良さ、どちらを優先するかをよく検討しましょう。
つり革につかまれない!荷物はぐちゃぐちゃ
東京の通勤電車の混雑ぶりは、実際に体験しないと理解できないほどです。
ラッシュ時には本当に駅員が乗客を押し込むシーンが見られ、テレビの映像は決して誇張ではありません。
特に女性は体格的に不利なため、息がしづらいと感じるほどの混雑に耐えなければならないこともあります。
また、人混みで荷物がぐちゃぐちゃになったり、押されて移動できなかったりするストレスも大きいです。
通勤時間をずらせる職場環境であれば負担は減りますが、一般的なオフィスワーカーにとっては避けられない現実として認識しておく必要があります。
土日はどこに行っても混んでいる
東京の週末は驚くほどの混雑を経験することになります。
人気スポットはもちろん、一般的な商業施設も大勢の人で溢れかえり、住み始めて数ヶ月経つと休日に出かけること自体が億劫になる人も少なくありません。
レストランでは長時間の待ち時間が当たり前となり、映画館や美術館なども長蛇の列ができることが当たり前です。
この状況から、多くの東京在住者は平日休みを取得できるなら、平日の方が遊びやすいと感じています。
地方では考えられないような混雑ぶりは、東京生活の大きな負担の一つとなっています。
ホームセンターが少ない
地方では当たり前のように存在する大型ホームセンターが、東京の都心部では非常に少なく、DIYや園芸、住まいの修繕に必要な物資を調達するのが難しいことがあります。
代わりにドン・キホーテやスーパーの片隅にあるホームセンター的なコーナーで必要なものを揃えることになりますが、品揃えは限られています。
もちろん郊外に行けば大型ホームセンターもありますが、車がないと大きなものを運べないというデメリットがあります。
ホームセンターで得られているDIYの用品を買いたいとき、ちょっとした買い物のときなどに、意外な不便を感じることになるでしょう。
道路の車線が多すぎる・道が複雑すぎる
東京の道路は地方と比べて非常に複雑で、4車線や5車線といった多車線道路がざらにあり、初めて運転する人には非常にわかりにくい構造になっています。
特に首都高速道路は右側からの合流があったりと、地方では考えられない道路設計も多く、慣れるまでは相当な恐怖心を抱くドライバーも少なくありません。
この複雑な道路事情は、東京で車を運転する際の大きなストレス要因となっています。
カーナビを駆使しても難しいケースもあるため、運転に不安がある方は公共交通機関の利用を優先した方が無難でしょう。
東京の生活に向いている人
東京での生活は誰にでも合うわけではありません。
特定の特性や好みを持つ人にとって、東京は最適な生活環境となり得ます。
以下に東京生活に向いているタイプの人を紹介します。
- 車を持っていない人
- アクティブで外に出て遊ぶのが好きな人
- 好奇心が強い人
- 人混みや騒音が気にならない
- 柔軟な生活リズムで働ける人
車を持っていない人
東京は車を持たなくても余裕で生活できる環境が整っているため、車の維持費や駐車場代を気にせず暮らしたい人に最適です。
電車やバスなどの公共交通機関が発達しているので、車がなくても行動範囲に制限をほとんど感じません。
むしろ、車を持っていないことで渋滞や駐車場探しのストレスから解放され、移動時間も有効活用できる利点があります。
車の維持にかかる費用を別の楽しみに使えるので、車を持たない生活スタイルを好む人にとって、東京は住みやすい街と言えるでしょう。
アクティブで外に出て遊ぶのが好きな人
イベントや遊びに行く場所が豊富な東京は、アクティブに行動したい人にうってつけの環境です。
休日に出かけたい場所に困ることはなく、季節ごとのイベント、スポーツ観戦、美術館、テーマパークなど、選択肢は無限にあります。
また、東京の各エリアには特色ある街並みや文化があるため、街歩きだけでも十分に楽しめます。
常に新しい刺激を求めるアクティブな人にとって、東京は飽きることのない遊び場となるでしょう。
好奇心が強い人
東京にはさまざまな学習施設や美術館、博物館などの文化施設が充実しています。知的好奇心を満たす場所が豊富にあるため、学びたい意欲が強い人は高い満足感を得られるでしょう。
また、多様な人々が集まる東京では、異なる価値観や文化に触れる機会も多く、視野を広げるのに最適な環境です。
セミナーやワークショップなども頻繁に開催されており、専門的な知識や技術を学ぶチャンスも豊富です。
常に新しいことを学びたい、さまざまな経験を通じて成長したいと考える好奇心旺盛な人にとって、東京は理想的な住環境と言えるでしょう。
人混みや騒音が気にならない
東京は人が多く、車も多いため、常に一定のにぎやかさがあります。特に道路沿いの住宅では、車や人の往来による騒音は避けられません。
田舎のように静かな夜を過ごすことはほぼ不可能で、どんなに静かな住宅街でも、地方と比べれば騒がしく感じることでしょう。
こうした環境でも気にせず過ごせる人、むしろ人の気配があることで安心感を覚える人にとっては、東京の生活は苦になりません。
騒音や人混みに対する耐性がある人なら、東京の魅力を最大限に享受できるでしょう。
柔軟な生活リズムで働ける人
東京は24時間稼働している街であり、朝型の仕事だけでなく、夜型の高収入の仕事も豊富にあります。
夜の時間帯に活動的な人や、効率的に時間を使いたい人にとって、ナイトワークは東京生活を充実させる選択肢の一つとなるでしょう。
日中は自分の時間として使え、夜間の高時給で効率よく稼げるため、自己投資や趣味の時間も確保しやすいのが魅力です。
フレキシブルな働き方を好む人にとって、東京はさまざまな働き方の可能性を提供してくれます。
東京の生活に向いていない人
東京での生活スタイルがフィットしない人もいます。
以下のような特性を持つ方は、東京以外の地域での生活を検討したほうが幸せになれるかもしれません。
- のんびり屋でセカセカした雰囲気が嫌いな人
- インドア派な人
- 広めの間取りで暮らしたい人
- 人混みが嫌いな人
のんびり屋でセカセカした雰囲気が嫌いな人
東京は基本的にせかせかした雰囲気が漂っています。みんな早歩きしているし、駅などでぶつかっても謝らない人が多いです。
これは相手が気づいていないか、急いでいてスルーしているかのどちらかですが、のんびりとした雰囲気を好む人にとっては、精神的に疲れてしまうでしょう。
ゆったりとした時間の流れのなかで生活したい人、人とのコミュニケーションをじっくり取りたい人には、東京のテンポの速さがストレスになる可能性があります。
のんびり屋の性格の人は、もう少しペースの遅い地方都市の方が生活しやすいかもしれません。
インドア派な人
インドア派の人は、東京に住む意味があまりないかもしれません。
東京の大きな魅力は、外出先でのさまざまな体験や刺激ですが、それに興味がなければ高い生活コストを払ってまで東京に住む理由は薄れます。
家でゆっくり過ごすことを重視するなら、家賃が安く広い住居が確保できる地方の方が満足度は高いでしょう。
また、インターネットの普及により、買い物や娯楽の多くはオンラインで済ませられる時代になっており、必ずしも都会に住む必要性は低くなっています。
インドアで充実した住空間を作りたい人は、東京よりも地方の方が向いているでしょう。
広めの間取りで暮らしたい人
東京は土地が限られているのに人口が多いため、住居は基本的に狭く、広い間取りの物件は非常に高額になります。
広々とした住空間で生活したい人にとって、東京の住環境は窮屈に感じるでしょう。
たとえば、東京で3LDK以上の広い間取りを求めると、都心から離れるか、かなりの高額家賃を覚悟しなければなりません。
また、庭付き一戸建てとなると、さらに郊外へ行くか、億単位の購入資金が必要になることも珍しくありません。
ゆとりある住空間を優先したい人は、東京以外の地域での生活を検討した方が良いでしょう。
人混みが嫌いな人
人混みが嫌いな人にとって、東京は常にストレスを感じる環境と言えます。
本当にどこに行っても人で溢れており、特に休日は買い物一つするにも長蛇の列に並ばなければならないことがザラです。
こうした状況が続くと、徐々に外出すること自体が億劫になってくるケースも少なくありません。
人混みによる疲労やストレスに弱い人は、東京での生活に適応するのが難しいでしょう。
人混みが苦手な人は、東京に住む場合でも、比較的人口密度の低い郊外を選ぶことをお勧めします。
東京生活を楽しむにはお金も必須
東京には楽しい場所やイベントがたくさんありますが、それらを存分に楽しむためには、相応の経済力が必要です。
アミューズメント施設や飲食店、ショッピングなど、東京の魅力を満喫するにはそれなりのお金がかかります。
また、住居費も地方と比べて格段に高いため、安定した収入がなければ生活の質を保つのが難しくなります。
東京での生活を考える際には、事前にしっかりと仕事や収入源を確保しておくことが重要です。
経済的な不安を抱えながら生活するよりも、自分の収入に見合った生活設計をすることで、東京の魅力を最大限に享受できるでしょう。
働き方や収入源について十分に検討し、計画的に東京生活をスタートさせることをおすすめします。
まとめ
東京での生活は、メリットとデメリットがはっきりと分かれています。
利便性や交通の便利さ、豊富な遊び場や文化施設など、地方では味わえない多くの魅力がある一方で、住居費の高さや混雑などのデメリットも無視できません。
東京での生活が向いているかどうかは、個人の性格や生活スタイル、価値観によって大きく異なります。
アクティブに行動したい人や好奇心旺盛な人にとって、東京は無限の可能性を秘めた街であり、充実した日々を過ごせるでしょう。
一方で、のんびりとした時間の流れを好む人や広い住空間を求める人にとっては、東京の生活はストレスになる可能性があります。
自分自身の特性や優先したいことを見極めた上で、東京という選択肢を検討することが大切です。
東京という街を楽しむにはそれなりの収入が必要なので、上京前に収入を確保できる仕事を探すのも大切です。
ナイトワークなどの高時給の仕事なども検討し、東京を楽しむ時間もお金も確保すると良いでしょう!