東京で治安がよくて家賃も安いエリアを探しているなら、練馬区・葛飾区・板橋区の3つが有力な候補です。この3区はワンルームの家賃が23区で下から5番目に入るほど安く、それでいて犯罪の起きる割合が23区の平均より低いためです。
はじめての上京では、安さだけで部屋を決めて夜道が怖くなるという失敗が起こりがちです。この記事では、東京の一人暮らしのエリア選びで判断のもとになるデータと、安いエリアを選ぶときに見落としやすい注意点をお伝えします。
もくじ
東京で治安がいいのに家賃が安いエリアは練馬区・葛飾区・板橋区

家賃と治安のバランスで選ぶなら、練馬区・葛飾区・板橋区の3区がおすすめです。3区とも住宅街が中心で、駅前に歓楽街がないという共通点があるからです。
3区のワンルーム・1K・1DKの家賃相場と犯罪発生率、都心へのアクセスは次のとおりです。
| 区 | 家賃相場 | 犯罪発生率 | 都心へのアクセス |
|---|---|---|---|
| 練馬区 | 9.37万円 | 4.9件 | 練馬駅から池袋駅まで約10分 |
| 板橋区 | 9.89万円 | 6.0件 | 大山駅から池袋駅まで約6分 |
| 葛飾区 | 9.09万円 | 7.0件 | 亀有駅から上野駅まで約20分 |
犯罪発生率とは、住民1,000人あたり何件の犯罪が起きたかを示した数字です。警視庁の令和7年の統計と東京都の住民基本台帳による世帯と人口(令和6年12月1日現在)から計算しています。東京都23区の平均は7.6件なので、3区ともそれより低い数字となっており、犯罪発生率は低くなっています。
また、家賃相場は23区でいちばん高い港区は16.04万円なのを考えると、同じ東京でも7万円近い差が生まれている計算です。
もちろんこの3つの区よりも家賃が安い地域もありますが、荒川や江戸川に近く、海抜が低い土地は大雨で水が溜まりやすいのもデメリットです。同じ場所に雨が降り続く線状降水帯や、地震のことも考えると、まずはこの3区から探しはじめると良いでしょう。
家賃と治安を見比べるときの2つの基準

東京で一人暮らしをするエリアを絞り込む前に、何を基準に考えるかをしっかり決めておきましょう。基準を間違えると、本当は住みやすいエリアを候補から外してしまいます。
東京で一人暮らしをするエリアを決める際は、以下2つを基準にしてみてください。
- 治安は区の平均ではなく町の単位まで見る
- 家賃はワンルーム9万円前後が23区の現実的なライン
治安は区の平均ではなく町の単位まで見る
東京の治安を調べるときは区の数字を出発点にして、住む予定の町の単位まで下りて確認しましょう。区の平均は、その区にある繁華街の件数に大きく引っぱられるためです。
たとえば警視庁の令和7年の統計を見ると、警察が把握した犯罪の件数は新宿区が6,977件、文京区が1,329件でした。この件数を東京都の住民基本台帳の人口で割ると、住民1,000人あたりの発生率は新宿区が19.7件、文京区が5.6件になります。
新宿区は住んでいる人の数で割っても高い数字です。ただし6,977件のうち約37パーセントは、歌舞伎町1丁目・2丁目と新宿3丁目という3つの町に集中しています。
一方、同じ新宿区でも上落合や西落合といった住宅街の町は、年間20件台とさほど高くはありません。このように、区だけでなく繁華街の近くを避けるだけで治安は大きく変わります。
その点、大きな繁華街を持たない練馬区や葛飾区は、区の数字がそのまま住宅街の体感に近くなります。ちなみに練馬区の発生率は4.9件で、治安のよさで名前が挙がりやすい文京区の5.6件よりも低い数字でした。
区ごとのランキングを見るときは、その区に繁華街があるかどうかもセットで確認するのがおすすめです。
家賃はワンルーム9万円前後が23区の現実的なライン
23区内で部屋を探すなら、ワンルームで9万円前後を目安にしておくと候補が見つかりやすくなります。地方に比べると高く感じるかもしれませんが、オートロックなど防犯の設備が整った部屋を求めると、9万円を下回る物件は条件を満たさないことが多いためです。
たとえば先ほどの家賃相場を見ると、いちばん安い江戸川区が8.75万円、練馬区が9.37万円、板橋区が9.89万円と並びます。
5万円台を狙う場合は、築年数や駅からの距離の条件を大きく緩めるか、23区の外まで範囲を広げることになります。予算の上限を先に決めておくと、内見のときの判断もぶれません。
治安がよくて家賃が安い東京のおすすめエリア

治安がよくて家賃が安い東京のおすすめエリア3区が、それぞれどのような場所かを説明します。
- 練馬区は緑が多く夜道も落ち着いている
- 葛飾区は商店街が元気で生活費を抑えやすい
- 板橋区は池袋まで数分の近さが魅力
練馬区は緑が多く夜道も落ち着いている
練馬区は自然が多く、住宅街が広がるエリアです。駅前に歓楽街はほぼなく、犯罪発生率も4.9件と3区のなかで最も低い数字でした。
家賃相場は9.37万円で、23区では安いほうから4番目にあたります。西武池袋線の練馬駅から池袋駅までは約10分、都営大江戸線も通っているので新宿方面にも一本で出られます。
石神井公園や光が丘公園といった大きな公園があり、休日に散歩できる環境も整っています。
さらに家賃を下げたいなら、上石神井駅や武蔵関駅など西側の駅も検討してみてください。都心までの時間は延びますが、そのぶん家賃は下がります。
葛飾区は商店街が元気で生活費を抑えやすい
家賃だけでなく毎月の出費も抑えたいなら葛飾区もおすすめです。亀有・金町・新小岩といった駅前に昔ながらの商店街が残っており、食品を安く買える店が多いです。
家賃相場は9.09万円で、23区では3番目に安い水準です。犯罪発生率は7.0件と3区のなかでは高めですが、23区平均の7.6件は下回っています。
交通の便も良いのが特徴です。たとえば亀有駅から上野駅まではJR常磐線で約20分、金町駅からは北千住駅を経由して都心の各方面に出られます。
ただし葛飾区は荒川と江戸川に挟まれた低い土地にあり、水害の想定エリアにもなっています。同じ区内でも場所によって被害の想定が変わるため、ハザードマップを見てから細かな場所を絞り込むのがおすすめです。
板橋区は池袋まで数分の近さが魅力
通勤や通学の時間をできるだけ短くしたい人には板橋区が合っています。池袋のとなりにありながら家賃相場が9.89万円と安く、犯罪発生率も6.0件で23区の平均を下回っているためです。
たとえば、東武東上線の大山駅からは池袋駅まで約6分で着きます。駅前のハッピーロード大山商店街には惣菜店や八百屋が並び、仕事帰りの買い物にも困りません。
都営三田線の西台駅や蓮根駅まで足を延ばせば、家賃はさらに下がります。
家賃が安いエリアを選ぶ前に確認したい3つのこと

東京にも家賃が安いエリアは多いのですが、安易に飛びつかないように注意しましょう。契約してから後悔しないよう、次の3点は必ず確認してください。
- 東部の低地は浸水の想定を必ず確認する
- 木造アパートは音と共用部の管理状態を見る
- 帰り道は内見とは別に夜も歩いてみる
東部の低地は浸水の想定を必ず確認する
葛飾区や江戸川区で部屋を探すときは、契約前にハザードマップを開いてください。この一帯には海面より土地が低いゼロメートル地帯が広がっており、大雨や高潮のときに水につかると想定されている区域があるためです。
確認の方法は簡単で、国土交通省のハザードマップポータルサイトに住所を入力するだけです。水につかる深さが3メートルを超えると想定されている区域なら、1階の部屋は避けて2階以上、できれば3階以上を選びましょう。
地震や台風の多い日本では、住むエリアの安全性は欠かせません。治安だけでなく、自然災害の被害に遭いやすい場所かどうかも確認しておくと安心です。
木造アパートは音と共用部の管理状態を見る
東京で家賃が安い住居を探すと、木造アパートが候補に入ってきます。木造は鉄筋コンクリートに比べて壁が薄く、隣の話し声やテレビの音が響きやすいです。
そのため内見では、部屋の音と建物の共用部を重点的に確認しましょう。部屋の中では壁を軽くたたいて音の返り方を聞き、隣の洗濯機やエアコンの室外機がどこに付いているかも見ておいてください。
あわせて建物の共用部も歩いてみましょう。ゴミ置き場が分別されずに散らかっていないか、郵便受けにチラシが溢れたままになっていないか、掲示板に騒音やゴミ出しの注意書きが何枚も貼られていないかを見ます。
こうした場所を見れば、住民のマナーと管理会社がどれだけ手入れをしているかがわかります。
帰り道は内見とは別に夜も歩いてみる
部屋の内見は日中に済ませて、夜の街の様子は自分で別に確認するのがおすすめです。日中は感じがいいエリアでも、夜になると急に真っ暗で怖いと感じる場合があるからです。
一方、駅から物件までの道を歩くだけなら予約は要りません。仕事帰りに近い21時ごろに一度歩いて、街灯の間隔、人通りが途切れる区間、交番やコンビニの位置を見ておきましょう。
行き帰りの道がひとつしかないのか、明るい道を選んで遠回りできるのかなども確認しておくと安心です。
東京で治安がいい・安いが安いエリアについてよくある質問

東京で家賃が安く、治安がいいエリアについて、上京前に多く寄せられる疑問をまとめました。
家賃が安いエリアは治安も悪いのでしょうか
東京で家賃が安いエリア=治安が悪いというわけではありません。家賃は都心からの距離や駅の利用者数で決まる部分が大きく、犯罪の起きやすさとは別の理由で決まるためです。
たとえば練馬区は23区でも家賃が安い部類ですが、繁華街がないぶん犯罪発生率は4.9件と低い数字です。逆に家賃が高い新宿区や渋谷区は、繁華街を抱えるため犯罪の件数も多くなっています。
家賃5万円台で治安のいいエリアに住めますか
家賃5万円台となると、23区では選択肢がかなり狭まります。都心へアクセスがよい場所を選ぶと、物件のグレードをかなり下げなければなりません。築年数が古く、駅からも遠い物件になってしまうので、一人暮らしにはおすすめとはいえないでしょう。
女性の一人暮らしで安心して暮らせる物件に住みたいなら、家賃の上限を上げる、あるいは23区外や埼玉や千葉などを視野に入れる方が良いでしょう。
女性の一人暮らしで避けたほうがいいエリアはありますか
東京都の区よりも、駅から部屋までの帰り道が安全かどうか、近くで頻繁に犯罪が起きるかどうかをチェックしましょう。
たとえば同じ駅でも、出口で治安や雰囲気が大きく変わることがあります。新宿区のように、繁華街周辺の治安が悪くても、少し離れれば治安が良い場合もあります。大事なのは住みたい家の近くの治安、安心して住める環境かどうかです。
内見の際に駅から物件までの道が広くて街灯がしっかり整備されているか、人通りがあるかなどを確認しましょう。また、繁華街が近すぎないかどうかなどもチェックしてください。
まとめ
東京で治安と家賃のバランスを取るなら、練馬区・葛飾区・板橋区の3区が現実的な選択肢になります。3区とも家賃相場は23区で下から5番目以内に収まり、犯罪発生率も23区平均の7.6件より低い数字です。
エリアを絞り込んだら、あとはハザードマップの確認と、夜の帰り道の下見という2つの作業を忘れずにおこないましょう。どちらも自分ひとりでできることなので、住みはじめてから後悔しないように、この記事の内容も参考にして安心して住める場所を探してくださいね。





