地方から東京へ出るとき、多くの人が最初に悩むのが住まい選びです。結論からお伝えすると、初期費用をできるだけ抑えて東京生活を始めたい人には、シェアハウスが有力な選択肢になります。
一般的な賃貸は敷金・礼金・仲介手数料などで数十万円かかるのに対し、シェアハウスは10万円前後で入居できる物件が多いためです。この記事では、一人暮らしとの費用比較や、上京前に確認したい選び方まで解説します。
もくじ
上京時にシェアハウスと一人暮らしどちらを選ぶべき?

上京時の住まいは、何を優先するかで選ぶべき形が変わります。初期費用を抑えたい人や、東京に知り合いがいない人にはシェアハウスが向いています。一方で、1人の時間を大切にしたい人や、在宅ワークで静かな環境が必要な人は、一人暮らしのほうが満足しやすいはずです。
迷ったときは、最初の半年〜1年だけシェアハウスに住み、東京の暮らしに慣れてから一人暮らしへ移る方法もあります。街の雰囲気や通いやすさは、地図だけではわからないためです。
一度シェアハウスに住みながら近場を散策して買い物をしてみるなどすれば、一人暮らしの際にどれくらいの費用が必要かもわかりやすくなるでしょう。
上京時のシェアハウスと一人暮らしの費用比較

上京時にかかるお金は、シェアハウスのほうが一人暮らしより大幅に少なく済みます。とくに差が大きいのは入居時の初期費用で、一般的な賃貸では家賃の4.5〜5か月分が目安とされる一方、シェアハウスは10〜15万円ほどに収まるケースが多いです。
東京23区のシングル向けマンションは平均が11万円を超えています。下の表は、家賃7万円のワンルームと、家賃5万円+共益費1.5万円のシェアハウスを比べた試算例です。
| 項目 | 一人暮らし(家賃7万円) | シェアハウス(家賃5万円+共益費1.5万円) |
|---|---|---|
| 契約時の初期費用 | 約35万円(敷金・礼金・仲介手数料・前家賃など) | 約9.5万円(契約金・初月の家賃と共益費) |
| 家具家電の購入費 | 約15万円 | 0円(備え付け) |
| 入居時の合計 | 約50万円 | 約9.5万円 |
| 毎月の住居費 | 7万円 | 6.5万円 |
| 光熱費・ネット代 | 約1.5〜2万円 | 共益費に含む |
| 毎月の合計 | 約8.5〜9万円 | 約6.5万円 |
この試算では、入居時点で約40万円、毎月でも2万円以上の差が出ることになるためコストの差は大きいでしょう。
地方からの上京でシェアハウスを選ぶメリット

地方から上京する人にとって、シェアハウスにはお金・契約・人間関係の3つの面でメリットがあります。ここでは、とくに上京時に役立つ3つのメリットを紹介します。
- 初期費用と家具家電の手間をまとめて抑えられる
- 保証人不要の物件が多く上京前でも契約しやすい
- 東京に知り合いがいなくても孤独を感じにくい
初期費用と家具家電の手間をまとめて抑えられる
シェアハウスの一番のメリットは、入居時のお金と手間を同時に減らせる点です。多くの物件は敷金・礼金・仲介手数料がかからず、冷蔵庫や洗濯機、ベッドなどの家具家電もそろっています。
4月入社に合わせて上京する場合、一人暮らしなら3月中に部屋を契約し、家電を買いそろえて配送日を調整しなければなりません。
その点シェアハウスであれば、スーツケースと段ボール数箱を送るだけで、到着したその日から生活を始められます。
荷物が宅配便で済む程度の少なさなら、引っ越しするよりも格段に費用は安く済むでしょう。
保証人不要の物件が多く上京前でも契約しやすい
シェアハウスは、東京での勤務先がまだ決まっていない人でも入居しやすい住まいです。一般的な賃貸では、収入証明や連帯保証人、保証会社の審査が求められ、無職や内定前の段階では断られることがあります。シェアハウスは運営会社が独自に審査をおこなうため、保証人なしで申し込める物件も少なくありません。
たとえば、地元の会社を辞めてから東京で転職活動をしたい人は、先にシェアハウスへ入居して住まいを確保できますし、東京に住んでいれば、急な面接にも対応しやすくなります。
東京に知り合いがいなくても孤独を感じにくい
シェアハウスは、上京直後の孤独を和らげやすい住まいです。上京したばかりの時期は、仕事や学校以外で話す相手がいない人がほとんどです。共有のリビングやキッチンがあるシェアハウスなら、帰宅後に自然と会話が生まれます。
たとえば、同じ時期に上京した入居者どうしで安いスーパーの情報を教え合ったり、休日に近所の定食屋へ一緒に出かけたりもできるでしょう。
上京してシェアハウスを選ぶデメリット

シェアハウスには、他人と暮らすからこそのデメリットもあります。入居後に後悔しないよう、次の3点を理解したうえで検討しましょう。
- 生活音や共有スペースの使い方でストレスを感じやすい
- 友人や恋人を部屋に呼びにくい
- 月額や契約条件が一般賃貸より不利な場合がある
生活音や共有スペースの使い方でストレスを感じやすい
シェアハウスで多い悩みは、ほかの入居者との生活リズムの違いです。キッチンや浴室、洗濯機を共同で使うため、使いたい時間に使えない場面が出てきます。壁が薄い物件では、隣の部屋の話し声や夜中のドアの開け閉めが気になることもあります。
朝7時に家を出る会社員と、深夜に帰宅する飲食店勤務の人が同じフロアに住むと、お互いの物音が睡眠の妨げになりがちです。音に敏感な人は、内見で壁の厚さや部屋の配置を確認しておくと安心です。
友人や恋人を部屋に呼びにくい
シェアハウスでは、来客に制限を設けている物件が多く見られます。防犯やほかの入居者への配慮から、来客を共有スペースのみに限ったり、宿泊を禁止したりする規約があるためです。
地元の友人が東京へ遊びに来ても、自分の部屋に泊めることはできません。来客が多くなりそうな人は、入居前に規約で宿泊の可否を確かめておきましょう。
月額や契約条件が一般賃貸より不利な場合がある
シェアハウスは、条件によっては一般賃貸より割高になることもあります。港区や渋谷区などの都心部では個室の家賃が7〜9万円台の物件も珍しくなく、共益費を足すと郊外のワンルームと変わらない金額になるためです。
たとえば、渋谷区で家賃8万円+共益費1.5万円の個室を選ぶと、毎月の支払いは9.5万円になります。都心から電車で30分ほどの郊外なら、同じ金額で光熱費込みのワンルームに住める可能性があります。また、定期借家契約の物件は、契約期間が終わると更新できない場合もあります。
上京で失敗しないシェアハウスの選び方

上京後のシェアハウス選びで失敗しないためには、写真の印象だけで決めないことが大切です。ここでは、契約前に確認しておきたい4つのポイントを紹介します。
- 入居人数と男女の構成を確認する
- 管理体制と清掃頻度をチェックする
- 共益費・最低入居期間・違約金まで費用の総額を確認する
- 通勤・通学の定期代まで含めて立地を選ぶ
入居人数と男女の構成を確認する
シェアハウス選びでは、まず入居人数と男女の構成をチェックしましょう。住み心地は、設備よりも一緒に住む人の数で大きく変わるからです。たとえば、10人以下の小規模物件は入居者どうしの距離が近く、50人以上の大型物件はほどよい距離感を保てる反面、キッチンや洗濯機が混雑しがちです。
防犯面が気になる女性は、女性専用や男女でフロアが分かれた物件を選ぶと安心です。
管理体制と清掃頻度をチェックする
管理がゆき届いているかどうかは、シェアハウスの快適さを左右する重要なポイントです。掃除を入居者任せにしている物件では、ゴミ出しなどをめぐるトラブルが起こりやすくなります。
確認したいのは清掃スタッフが週に何回入るかと、トラブル時の連絡窓口があるかの2点です。週2回以上の清掃があり、管理会社にすぐ相談できる物件なら、入居者どうしで揉める場面を減らせます。
共益費・最低入居期間・違約金まで費用の総額を確認する
シェアハウスを選ぶときは家賃の安さだけで決めず、契約全体でかかるお金を確認することが大切です。東京のシェアハウスの共益費は1〜2万円程度が相場で、水道光熱費やネット代を含むかどうかは物件ごとに異なります。
とくに注意したいのが、最低入居期間と途中解約の違約金です。仮に最低入居期間が6か月の物件を3か月で退去すると、違約金として家賃1か月分ほどを請求されることがあります。
通勤・通学の定期代まで含めて立地を選ぶ
シェアハウスの立地は、家賃と通勤・通学の交通費をセットで考えるのがおすすめです。家賃が1万円安くても、乗り換えが多く定期代が高くつけば、毎月の出費はかえって増えてしまいます。
足立区や板橋区には家賃4万円前後から借りられる物件が多くありますが、勤務先が新宿や渋谷など都心の西側にある場合は、通勤時間も定期代も増えてしまいます。
候補の物件が見つかったら、Ekitanなどの乗換案内サイトで最寄り駅から職場までの定期代を調べ、家賃+共益費+定期代の合計で比べてみてください。
上京でシェアハウスを選ぶかどうかについてよくある質問

状況でシェアハウスを選ぶかどうかについて、よくある質問をまとめました。
Q. シェアハウスに住民票は移せる?
多くのシェアハウスでは住民票を移せます。住民票を移しておくと、郵便物の受け取りや銀行口座の開設、健康保険の手続きがスムーズになります。
ただし、短期プランの物件など、運営会社によっては住所登録を想定していない場合もあるため、申し込み前に確認しておきましょう。
Q. 上京前に仕事が決まっていなくても入居できる?
仕事が決まっていなくても入居できるシェアハウスはあります。運営会社独自の審査のため、身分証明書と緊急連絡先があれば申し込める物件も少なくありません。ただし、審査で預金残高の確認を求められることもあります。
転職活動の期間を見込んで、家賃と生活費の3〜6か月分を用意してから上京すると安心です。
Q. 上京前で内見に行けない場合はどうすればいい?
上京前で現地に行けない場合は、オンライン内見を活用しましょう。スマートフォンのビデオ通話で、スタッフに個室や共有スペースを映してもらえる運営会社が増えています。とくに確認したいのは、個室の窓の向きや収納の広さ、キッチンと浴室の清潔さです。
不安が残るときは、1か月程度の短期プランで住み心地を確かめる方法もあります。
まとめ
上京時の住まいとして、シェアハウスは初期費用を大きく抑えられる現実的な選択肢です。敷金・礼金がかからず家具家電もそろっているため、一人暮らしと比べて入居時に40万円前後の差が出ることもあります。
一方で、生活音や来客制限などのデメリットもあるため、入居人数や管理体制、契約条件を事前に確認することが欠かせません。迷ったときは、最初の半年〜1年だけシェアハウスで暮らし、東京に慣れてから一人暮らしへ移る方法も検討してみてください。





