東京で治安がいいところを人口あたりの犯罪件数で比べると、23区では杉並区・目黒区・練馬区・世田谷区が上位4つに並びます。
ただし、区や市の数字は街全体の平均です。同じ区のなかでも、駅の出口や帰り道によって印象が変わることは珍しくありません。
この記事では、治安がいい候補として23区から4区、23区外から3市を紹介します。あわせて、気になる街の治安を自分で確かめる方法や、よくある質問にもお答えします。
最後まで読めば、数字と現地の両方から、自分に合った安全な街を選べるようになるでしょう。
もくじ
東京23区で治安がいいところ

東京23区で治安がよいといわれているのは、杉並区、目黒区、練馬区、世田谷区の4つの区です。世田谷区の資料によると、この4区は2025年の人口1,000人あたりの刑法犯認知件数(警察が犯罪として把握した件数)が、23区のなかで少ない順に1位から4位でした。
ここでは、この4区を順に紹介します。
- 杉並区
- 目黒区
- 練馬区
- 世田谷区
杉並区
杉並区は、人口1,000人あたりの刑法犯認知件数が4.25件で、23区のなかでもっとも少ない区です。件数そのものも2,547件で、23区で少ないほうから9番目に入っています。
区が公表している犯罪の内訳では、自転車盗が全体の約3割を占め、空き巣は20件にとどまっています。そのため、自転車を停めるときに鍵をかける習慣があれば、過度に心配する必要はありません。
杉並区は、自然が豊富な閑静な住宅地として発展してきた区です。JR中央線沿線の高円寺・阿佐ケ谷・荻窪・西荻窪では、駅周辺に商店街が発達しています。
高円寺は古着屋やライブハウスが集まる街で、荻窪はラーメン店が多いことでも知られています。和田堀公園や善福寺公園もあり、休日に散歩できるのが魅力です。
目黒区
目黒区は、人口1,000人あたりの刑法犯認知件数が4.78件で、23区で2番目に少ない区です。
2025年の認知件数は1,380件で、件数でも23区で2番目に少なくなっています。前年からは39件(2.7%)減っており、数字は改善している状況です。区の中心駅は、東急東横線と東京メトロ日比谷線が通る中目黒駅です。
中目黒周辺には飲食店やセレクトショップが集まり、自由が丘周辺はスイーツの街として知られています。
青葉台、碑文谷、八雲、柿の木坂は、高級住宅街とされるエリアです。大学も複数あるため、学生の一人暮らしにも検討しやすい区といえます。
練馬区
練馬区は、人口1,000人あたりの刑法犯認知件数が4.82件で、23区で3番目に少ない区です。認知件数は3,672件で、件数の少なさでは23区で16番目になります。
練馬区は人口が約75万7,600人(2025年1月1日現在)と、23区では世田谷区に次いで多いため、件数だけを見ると多く感じられます。その点、人口あたりで比べると、23区のなかで3番目に少ない数字です。
練馬区は、緑の多い閑静な住宅街として知られています。光が丘公園や石神井公園をはじめ、公園や緑地は区内に約640か所あります。
西武池袋線の練馬駅や石神井公園駅、都営大江戸線の光が丘駅などが利用でき、ココネリや光が丘IMAといった大型商業施設もあるため、買い物にも便利です。
世田谷区
世田谷区は、人口1,000人あたりの刑法犯認知件数が4.84件で、23区で4番目に少ない区です。認知件数は4,599件で、件数だけを見ると23区で多いほうから3番目になります。
これは、世田谷区が23区でもっとも人口の多い区だからです。人口あたりで比べると、杉並区、目黒区、練馬区に続く少なさになります。世田谷区は、区内の土地面積の9割以上が閑静な住宅地です。
成城は高級住宅街として知られ、三軒茶屋、下北沢、二子玉川、千歳烏山など、駅ごとに個性の違う商業地があります。砧公園、駒沢公園、等々力渓谷といった大きな緑地があり、日常に自然を取り入れやすいのも魅力です。
東京23区外で治安がいいところ

23区外では、市ごとに公表されている数字をもとに、件数の増減や内訳まで見て選ぶことが大切です。市の数字は、23区の資料とは集計の基準日や出典が異なる場合があるためです。
ここでは、数字が確認できた稲城市、狛江市、三鷹市を紹介します。
- 稲城市
- 狛江市
- 三鷹市
稲城市
稲城市の2025年の刑法犯認知件数は386件で、人口1,000人あたりの件数は約4.1件になります。稲城市は、多摩ニュータウンの開発とともに住宅地として広がった市です。
市の大部分は住宅地ですが、城山公園や稲城中央公園など、大きな緑地も残されています。住宅地のなかに梨農園や直売所が多いのも、稲城市らしい魅力です。
鉄道は、JR南武線の矢野口駅や稲城長沼駅、京王相模原線の稲城駅などが利用できます。地区によって件数に差があるため、部屋を探すときは住みたい地区の数字を市の資料で確認しておくと安心です。
狛江市
狛江市の2025年の刑法犯認知件数は354件、件数そのものは多くありません。内訳では自転車盗と特殊詐欺が増えているため、自転車の施錠と、知らない番号からの電話への注意を心がけましょう。
そのうえで見ると、狛江市は暮らしやすさに魅力がある市です。小田急小田原線の狛江駅や和泉多摩川駅が利用でき、新宿までは約20分で行けます。
面積は6.39平方キロメートルで、東京都の市のなかでもっとも小さい市です。そのぶん、駅周辺に商店街やスーパーがまとまり、買い物がしやすい環境です。
和泉多摩川商店街や狛江銀座のほか、狛江駅北口にはエコルマという商業ビルもあります。南端には多摩川が流れており、休日に水辺を散歩できるのも魅力です。
三鷹市
三鷹市で公表されている最新の刑法犯認知件数は、2024年の808件です。三鷹市は、キャッチフレーズに「緑と水の公園都市」を掲げる市です。
緑が豊かで平地が多く、近年は住みたい街としてランキングに入ることもあります。JR中央線で新宿方面に直結しており、吉祥寺駅も東部の一部地区の最寄り駅です。
井の頭恩賜公園があり、園内には三鷹の森ジブリ美術館もあります。三鷹駅の南口周辺は商業施設が集まっているため、仕事帰りの買い物にも困りにくいのが魅力です。
東京で住みたい街の治安を確認する方法

区や市の数字で候補を絞ったら、住みたい街そのものの治安を、自分で確かめることが大切です。区や市の平均では、繁華街のある駅前と住宅街の違いまでは見えないためです。
ここでは、無料でできる4つの確認方法を紹介します。
- 犯罪情報マップをチェックする
- 声掛けやつきまとい情報を確認する
- 帰宅時間の帰り道を実際に歩いてみる
- 建物のエントランスや共用部を見る
犯罪情報マップをチェックする
東京で住みたい街を見つけたら、まずは犯罪情報マップをチェックしましょう。犯罪情報マップとは侵入窃盗やひったくりなどの犯罪情報を地図で確認できるものです。
住みたい駅が決まったら、その周辺で犯罪が多発しているエリアがないかなどを確認できます。また、警視庁のサイトでは、区市町村の町丁別(住所の「丁目」単位)の認知件数のデータも公開されています。
こちらはCSVやXLSXのファイルなので、表計算ソフトが使える人は、住みたい町の件数を調べることも可能です。
声掛けやつきまとい情報を確認する
住みたい街で声かけやつきまといが発生していないかもチェックしましょう。こういった事案は犯罪にはなっていないものの、犯罪の前兆になるとして警戒されています。
警視庁犯罪情報マップでは、子どもや女性への声掛け・つきまとい事案などの前兆事案情報も、あわせて確認できます。
たとえば、気になる駅の周辺で、似た事案が何度も出ていないかを見ておくと安心です。
さらに、警視庁の防犯アプリ「デジポリス」なども、日ごろの情報収集に役立ちます。
帰宅時間の帰り道を実際に歩いてみる
内見をする際は帰宅時間帯に駅から家まで歩いてみるのも大事です。日中は感じのよい道でも、夜になると雰囲気が大きく変わる場合があるからです。
仕事や学校の帰りに近い、21時ごろに歩くのがおすすめです。街灯の間隔、人通りが途切れる区間、コンビニや交番の位置を見ておきましょう。
帰り道がひとつしかないのか、明るい道に遠回りできるのかも確認しておくと安心です。
建物のエントランスや共用部を見る
建物の防犯設備と管理状態は、内見のときにかならず確認しておきたい部分です。エントランスや共用部には、住民のマナーと管理会社の手入れが表れるためです。
たとえば、オートロックの有無、エントランスが外から見通せるか、郵便受けにチラシがあふれていないかを見ます。
ゴミ置き場が散らかっていないか、掲示板にゴミ出しや騒音の注意書きが何枚も貼られていないかも、判断の材料になります。建物の設備や管理状態は、犯罪情報では見えない部分ですが、住む場所の安全性に関係します。
数字で絞った街のなかから、最後は建物の様子で決めましょう。
東京で治安がいいところを探す際のよくある質問

東京で治安のよい街を探す人から多く寄せられる疑問に、お答えします。
女性の一人暮らしで安心して暮らせる物件の条件は?
女性の一人暮らしで安心して暮らせる物件は、街の治安と建物の防犯設備の両方がそろっている物件です。街の治安がよくても、建物に防犯設備が足りなければ、不安は残るためです。
街については、駅から部屋までの帰り道に、街灯と人通りがあるかを確認しましょう。建物については、オートロック、エントランスの見通し、郵便受けの管理状態を見ておくと安心です。
もちろん、すべての条件を満たす物件は家賃が高くなりがちです。優先順位を決めて、帰り道の明るさと建物の設備を上位に置きましょう。
治安がいい駅は家賃が高いですか?
治安がいい駅の家賃は、駅によって大きく異なり、治安のよさと家賃の高さは単純には結びつきません。
家賃は、都心までの距離や駅の利用者数など、治安とは別の理由で決まる部分が大きいためです。
この記事で紹介した杉並区、目黒区、練馬区、世田谷区の家賃も、駅ごとに差があります。住みたい駅の家賃相場は、不動産情報サイトで複数の物件を見比べてから判断しましょう。
家賃と治安のバランスで選びたい場合は、上京なうの「東京で治安がいいのに家賃が安いエリアは?一人暮らし向けの区と駅を紹介」も参考にしてください。
繁華街がある街は選択肢から外すべきですか?
繁華街がある街でも、住む場所を選べば暮らせるため、一律に選択肢から外す必要はありません。区や市の数字は街全体の平均であり、繁華街の件数の影響を受けるためです。
警視庁は町丁別の件数も公開しているので、同じ区のなかでも、繁華街から離れた住宅街の件数を調べることができます。ただし、駅の出口によって雰囲気が変わることもあるため、夜の駅前と帰り道は、かならず自分の目で確かめましょう。
まとめ
東京には安心して暮らせる街がたくさんあります。この記事で紹介した杉並区、目黒区、練馬区、世田谷区は、23区のなかでも犯罪の少ない区です。また、稲城市や狛江市、三鷹市のように、23区の外にも暮らしやすい街があります。
どの街も、駅の近くに買い物ができる場所があり、公園や緑も近くにあります。ただし、同じ区や市でも、駅の出口や帰り道によって雰囲気は変わるものです。
気になる街が見つかったら、昼だけでなく夜の時間帯にもどんな雰囲気なのかをチェックして、安心して住める場所か確認しましょう。自分の目で確かめて納得した街なら、きっと東京での新しい生活を楽しめます。
まずは気になる街の名前を、不動産サイトで検索してみてください。





